転職や就職で施設を選ぶときの条件に施設の評判を気にされる方も多いと思います。
今回は評判の悪い施設の特徴について解説します。
ご自身が働いている施設と比較しながらぜひ最後までお付き合いください。
評判の悪い介護施設とは
評判の悪い施設の特徴からみていきましょう。
以下の項目にあなたの働いている施設で思い当たることはありませんか?
- 医療行為をさせている
- 労働基準法が守られていない
- 利用者への暴力・虐待
- ハラスメントがある
- 有給休暇が取りづらい
思い当たる項目が多いほど評判の悪い施設である可能性が高いです。
医療行為をさせている
医療行為とは、身体の治療や処置のことです。
本来は医師や看護師など医療従事者のみが行うと定められています。
介護現場では医療行為が必要となる場面が多く存在します。介護士に禁止されている医療行為とは以下のことを指します。
- 摘便
- 褥瘡の処置
- 痰の吸引(研修を受けた者は可)
- 経管栄養(研修を受けた者は可)
施設側が介護士に医療行為をさせることは原則として禁止です。知らずに医療行為をやってしまった場合は法律違反になります。
また、場合によっては利用者のご家族から訴えられるなども考えられますのでしっかりと頭に入れておきましょう。
労働基準法が守られていない
厚生労働省より介護職の労働条件に関する動画がありました。とてもわかりやすくまとめられてます。
時間があるときにご覧ください(動画は30分程度です)
ご自身の働き方と比較して動画内の条件に合っていなければ労働基準法違反に当たります。その場合はお住まいの地域の労働基準監督署へ相談に行かれることをおすすめします。
動画の内容を書面で確認されたい方には以下のPDF書類(20ページ程度)をご覧ください。印刷可能です。
\ PDFファイルはこちらから /
労働基準法の抜粋
- 使用者は、労働者に、休憩時間を除き 1 週間について 40時間を超えて、労働させてはならない。
- 使用者は、1 週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を越えて、労働させてはならない
労働基準法では、使用者は、労働者が(法定外)時間外労働をした場合には
- 残業労働をした場合には基礎賃金の1.25倍以上の割増賃金(割増残業代)
- 深夜労働をした場合には基礎賃金の1.25倍以上の割増賃金(深夜手当)
- 休日労働をした場合には基礎賃金の1.35倍以上の割増賃金(休日手当)
それぞれ割増賃金を支払わなければならないとされています。
介護業界は労働基準を守っていない悪質な施設が多いです。
※労働基準監督署は匿名でも相談可。
利用者への暴力・虐待
本来なら施設内で起きてはならない虐待行為ですが評判の悪い介護施設では起こる可能性があります。
一言で高齢者虐待といっても、様々な状況があります。ここでは虐待の主な種類を 「身体的虐待」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」「介護・世話の放棄・放任」 とします。また、虐待は、その状況の深刻さから 「緊急事態」「要介入」「見守り・支援」 の3つのレベルに分けて考えることができます。適切な対応を行うためにも、種類と程度の視点から虐待の状況を正確に把握することが大切です。
以上は東京都福祉保健局のサイトからの引用です。
身体的虐待 | 暴力的行為によって身体に傷やアザ、痛みを与える行為や外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為 |
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心理的虐待 | 脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的に苦痛を与えること |
性的虐待 | 本人が同意していない、性的な行為やその強要 |
経済的虐待 | 本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること |
介護・世話の放棄・放任 | 必要な介護サービスの利用を妨げる、世話をしない等により、高齢者の生活環境や身体的・精神的状態を悪化させること |
守るべき弱い立場の利用者への虐待行為は違法です。もし、このようなことを施設で見かけた場合は市の高齢福祉課へ相談しましょう。
ハラスメントがある
介護現場におけるハラスメントも存在しています。
具体的には、介護サービスの利用者や家族等※からの、以下のような行為を「ハラスメント」と総称しています。
ハラスメントの事例
介護現場におけるハラスメント事例集
1)身体的暴力
身体的な力を使って危害を及ぼす行為。
例:コップを投げつける/蹴られる/唾を吐く
2)精神的暴力
個人の尊厳や人格を言葉や態度によって傷つけたり、おとしめたりする行為。
例:大声を発する/怒鳴る/特定の職員にいやがらせをする/「この程度できて当然」と理不尽なサービスを要求する
3)セクシュアルハラスメント(以下「セクハラ」という)
意に添わない性的誘いかけ、好意的態度の要求等、性的ないやがらせ行為。
例:必要もなく手や腕を触る/抱きしめる/入浴介助中、あからさまに性的な話をする
利用者に関しての虐待はニュースになることが多いですが、介護職に対してのハラスメントも取り上げられるべきだと思います。
介護士も自分で身を守るためにハラスメント事例を確認しておきましょう。
有給休暇が取りづらい
有給休暇を取ることは労働者の当然の権利です。有給休暇が取りづらい雰囲気は評判の悪い介護施設によくあることです。
労働基準法の定めである法定休日(週に1回以上、もしくは4週間に4日以上の休み)を与えていない施設も違法です。
状況が改善しない場合は、労働基準監督署に相談して是正を図りましょう。
評判の悪い介護施設で働いていたら
このような施設で働いている場合は転職を検討してください。
知っていますか?介護人材不足の2025年問題
私たち介護士にとっての深刻な話題、介護業界の2025年問題をご存知でしょうか?
厚生労働省の調査から「2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)」介護人材の見込みは約38万人不足することがわかっています。
・介護人材の需要見込み(2025 年度) 253.0 万人
参照:厚生労働省 2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について
・現状推移シナリオによる介護人材の供給見込み(2025 年度)215.2 万人
・需給ギャップ 37.7 万人
介護業界の2025年問題により今よりも労働環境は過酷になっていくことが予想されます。
1年後の未来を予測をしてみる
働いている施設で今回ご紹介した内容が当たり前になっていたらすぐに改善することが大切です。
まずは上司へ相談しましょう。
施設全体で改善に向けて取り組むことで問題を回避できる可能性があります。
働き続けるメリットがない時は
もし改善が見られない場合は転職をおすすめします。ブログ内に別記事で解説しています。
正社員か派遣で悩まれている方は⇨介護派遣と正社員どっちがいいの?それぞれのメリットとデメリット
自分に合った施設を知りたいと思われている方は⇨必ず見つかるあなたに合う介護施設 〜施設の違いと特徴〜
介護派遣会社選びに迷われている方は⇨【保存版】介護派遣で評判の良い会社〜おすすめ3選とその理由〜
あなたの悩みを解決できるヒントがあるかもしれません。よかったら参考にされてください。
まとめ
今回は評判の悪い介護施設にありがちな職員への対応について解説させていただきました。
評判が悪い介護施設には理由があります。
働いている介護職員は違法ということに気付かずに過酷な労働が当たり前になっている場合があります。
労働基準法と評判の悪い施設にどれだけの開きがあるのかを確認したいただければ幸いです。
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