【介護施設の閉鎖が迫る】人手不足の未来を乗り越える介護士の新たな働き方

『近隣の介護施設の閉鎖が増えた。』『これから先働く施設の未来が心配。』『これから介護業界はどう変化していくのか。』このような不安を抱きながら働いている方が多くなってきました。同時に介護現場は高齢者が増え、人手不足は解消されないままです。

今回は介護施設が人手不足になり閉鎖になる原因とこれからの介護業界について解説していきたいと思います。施設が閉鎖しても介護士として不安なく働けるための準備をお伝えしていきたいと思います。

目次

介護施設が人手不足で閉鎖する理由

こんなはずじゃなかった。

高齢化が進み、介護事業者が毎年設立されています。その一方で、閉鎖に追い込まれる事業者も増加しています。なぜこのようなことが起きているのでしょうか?

介護士が不安に陥っている不安の理由は以下のとおりです。

  • 自分の働いている施設は大丈夫なのか
  • 人手不足で気力も体力も限界
  • 利用者の高齢化に介護が追いついていない

介護業界は現場の状況に国の政策が追いついておらず先の見えない状況となっています。

これから介護報酬もどのように変わっていくのか不安です。今私たちにできることは現状を知り、介護業界を総合的に知り備えることです。

介護事業の倒産とその理由

まずは現状を知っておこう。

2000年以降で過去最多の倒産件数は、2017年と2019年に記録した111件でした。2020年はその倒産件数を上回る118件となり、過去最多の記録を更新しています。これは前年比で6.3%の増加です。

一方で負債総額は140億1,300万円と前年比で13.3%減少しています。これは負債額1億円未満の倒産件数が全体の79.6%にあたる94件、従業員5人未満の事業所が全体の66.9%にあたる79件を占めるなど、小規模零細事業者を中心に推移したためです。

また、設立から10年未満という事業所の倒産が全体の55%にあたる65件と半数以上を占めており、資金不足による息切れ倒産が目立っています。

介護職員の将来における必要数(第8期介護保険事業計画に基づく介護人材必要数1 210709)

Gem Med

このように2019年と比較すると2023年度には約22万人、そこから2年後の2025年度には約32万人の介護士が必要になってきます。

さらに2040年度には69万人が必要とされるのに対して、少子高齢化で日本の総人口は減少していきます。介護人材確保はますます困難になっていくことが明らかです。

また一部の自治体での介護人材不足は深刻でこれによって閉鎖に追い込まれていく施設が増えています。

今後20年弱の間に介護業界がどのように変化していくのか予測しながら行動が取れるように介護士は知っておく必要があります。

介護施設の人手不足閉鎖に対しての課題

【落合陽一×経済同友会】人生100年時代。介護のイノベーションを考える。

落合陽一氏と経済同友会の方がこれからの介護業界についての課題についてそれぞれの立場から意見を出されています。

この動画を見ることで社会の動き、国の動向などを視野に入れて私たちが今後どう働いていくことができるのかを視野に入れて行動できるようになります。

介護業界の人手不足問題に対して、さまざまな業界、社会状況を踏まえて備えることをお勧めします。

私たちは介護現場の声や人手不足を視野に入れて仕事をしていますが、国や、経営者、介護ロボットの導入など現在どのような取り組みがなされているのかを知る機会を知っておきましょう。

介護施設の人手不足による閉鎖を見極めるには

早く気がつけばよかった。

まずはあなたが現在働いている施設が以下の当てはまらないか確認してみましょう。

介護の人手不足の見極めのポイントは以下のとおりです。

  • 常に人材不足に陥っていないか
  • 常に利用者が不足していないか
  • 経営者に問題がある

常に人材不足に陥っていないか

限界・・・

求人を出しても人手不足が解消しない状態が1年以上続いているとしたら、それはあなたが働いている施設に原因がある可能性が高いです。人手不足のスパイラルから脱却するには早い段階で施設の問題に気づき、対策を取ることが重要になってきます。

常に利用者が不足していないか

あなたの働く施設は大丈夫?

あなたは自分が働く施設に両親を預けたいと思えるでしょうか?

虐待・懲戒:高齢の入所者虐待で介護職員を停職 和水町 2022/11/02 水曜日

2022年10月31日 虐待 懲戒(停職3か月)

・熊本県和水町は31日、町営の特別養護老人ホーム「きくすい荘」
・入居者の80代と90代の女性2人に暴言を浴びせ、身体的な虐待をしたとして、40代の男性介護職員を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は同日付。

・職員は3月23日、28日は夜勤だった
・眠れずに起き上がった2人に対し「はよ寝らんか」「ええ加減にせえよ。何べん同じことば言わすっか」などと威圧的に暴言を浴びせる
・さらに、入居者の脇を抱えて強引にベッドに寝かせるなどの身体的な虐待をした。

・和水町は「虐待によるけがはなかった」としている。

・施設に5月中旬、状況を録音したデータが入ったUSBが匿名で置いてあった
・USBは郵送でも届いた。
・和水町は5月に入居者や男性職員に聞き取り調査をして事実を確認
・7月までに施設長や現場主任らが2人の家族に直接謝罪した
男性は「何度も呼び鈴が鳴って、いら立ちや怒りの感情を抑えられなかった」と話している

・既に異動した当時の施設長は文書による厳重注意とした。

介護データベース

最近では介護施設での高齢者虐待の記事をよく目にするようになりました。慢性的な人手不足の施設ではこのように職員による虐待が取り上げられるケースが多いです。

虐待の起こる原因はさまざまですが、経営者が現場に対してのフォローが行き届いていないことが多いです。また職員の不満が弱い立場の利用者へぶつけられることが考えられます。

このような施設に家族は安心して両親を預けることはできません。利用者が少ない理由はその施設の特徴を表しているのではないでしょうか?

経営者に問題がある

あなたの施設、利益ばかり優先してませんか?

経営者が介護に真剣でない評判の悪い介護施設とは介護職員への対応に問題があるため目先の利益を優先し、人件費を削る傾向にあります。まずはあなたが働いている施設が評判の悪い介護施設かの見極めが重要です。

もしもこの先の不安を解消できないようであれば転職も視野に入れて行動することをお勧めします。

介護施設が人手不足で閉鎖の前にできること

これまでの記事の内容から今後介護施設が閉鎖される理由はご理解いただけたかと思います。『突然、施設が閉鎖してしまった。』ということになって困ることがないように介護士にできる対策をお伝えします。

人手不足の施設で引き止められたら

解決策は?

退職引き止めの具体例を参考にあなたの現状と比べてみましょう。悪質な場合、退職の意思を示しても全くと取り合ってもらえないという話もよく耳にします。

退職の意思が固まっているのにもかかわらず、退職引き止めによって3ヶ月や半年やめさせてもらえない状況の方も多くいらっしゃいます。『介護職への退職引き止め回避するには』という内容で別記事に詳しく紹介しています。

転職を視野に入れて準備

その契約は大丈夫?

転職で失敗しないためには準備に時間をかけることが必要です。『時間のない中で慌てて転職してしまったために気がつけばブラック施設に就職してしまっていた。』ギリギリまで頑張って働く方が多いのも介護職に従事されている方の特徴です。

こちらの記事⇨介護で転職を成功させる秘訣とは 失敗しないロードマップをまずはチェックしてみてください。あなたの現在の状況と比較して読み進めることで必要な情報を収集して転職に備えましょう。

まとめ

介護士は重要な存在です。

今回は介護施設が人手不足で閉鎖に至るまでの理由と対策を解説しました。

  • 介護施設が人手不足で閉鎖する理由
  • 介護施設の人手不足閉鎖に対しての課題
  • 介護施設の人手不足による閉鎖を見極めるには
  • 介護施設が人手不足で閉鎖の前にできること

介護職は技術と知識があれば誰でもいいというものではありません。職員を「使い捨て」のように扱う経営者の施設では閉鎖も不思議ではありません。

あなた自身の介護知識と経験は財産です。
質の高い技術と知識さえ持っていれば事業者を「選ぶ」人材となることもできるでしょう。
今回の記事が参考になれば幸いです。

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