介護業界は年々人手不足が深刻化しています。そのため退職の際に引き止められることがあります。 ”退職したいのにタイミングを失ってしまった” という介護職の方は多いのではないでしょうか。
主な退職の引き止め理由として
- 「上司が退職の話を聞こうとしない」
- 「次の人が見つかるまで退職日を引き延ばされる」
- 「待遇を改善するからとうやむやにされる」
このようなことあります。
今回は介護職が退職の引き止めパターン4選と回避方法をご紹介します。
介護職が退職の引き止めに合う時
1番の原因は人手不足
結論から介護職が退職の引き止めにあう1番の原因は介護業界全体の人手不足にあります。
厚生労働省の資料によると、2025年度に必要な介護職員は約243万人です。2019年度の介護職員数が約211万人ですので、2025年度には約32万人の介護職員が不足する計算になります。
さらに2040年度には280万人の介護職員が必要と予測され、約69万人を追加で確保しなくてはならないことになります。国は介護職員を充足させるため、これまでもさまざまな介護人材確保の対策に着手してきましたが、今後はさらに総合的に強化する必要があると発表しています。
ケア資格なび
年度 | 65歳以上の高齢者人口 | 65歳以上の高齢者の割合 | 必要な介護職員数 | 介護職員の不足人数 |
---|---|---|---|---|
2019年 | 3588万人 | 28.4% | 211万人 | ― |
2025年 | 3677万人 | 30.0% | 243万人 | 32万人 |
2040年 | 3921万人 | 35.3% | 280万人 | 69万人 |
参考:第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について 厚生労働省
高齢者の人口 総務省統計局
職員を大切にしない会社(施設)の人手不足はこれまで以上に深刻になっていくでしょう。
結果、人材確保が難しいブラック施設は閉鎖の可能性もあるでしょう。介護士の転職はマイナスではありません。さまざまな施設での経験がこれからは必要とされていきます。
介護職への退職引き止めパターン4
ここからは退職引き止めの具体例とともに引き止めの代表的なパターンを4つご紹介します。過去に退職の引き止めにあったことがある方は復習の意味で読んでいただけたらと思います。
退職引き止めの具体例
介護職員です。退職希望を会社(有限)に伝えた際に、「人材不足のために退職を認めない。無責任。利用者の事がどうでも良いのか? 」と、引き止めを受けています。 円満退社の為、会社の規定に従い2ヶ月前には退職意思を伝えております。人材不足は会社の問題であり、ボランティアをしている訳では無く、自分の人生の方が大切だと思います。特に「利用者の事がどうでも良いのか?」と言うのは、引き止めの言葉としては卑怯に思いますが、皆様のご意見を聞かせて下さい。
yahoo知恵袋
この相談者は2ヶ月前に退職の意思を伝えています。
にもかかわらず「人材不足のために退職を認めない。無責任。利用者の事がどうでも良いのか? 」と退職引き止めを迫るのは会社側の都合しか考えてない発言です。
このような悩みを含めて退職引き止めには大きく分けて4つのパターンがあります。
- 後任が見つかるまで待ってほしいと言われる
- 『あなたが必要』など常に訴えてくる
- 忙しいと言って取り合ってくれない
- 「待遇を改善する」と言われる
後任が見つかるまで待ってほしいと言われる
『退職を伝えた時に引き延ばされる』退職引き止めで一番多いのがこのパターンです。
「求人をかけるのでそれまでは働いて欲しい」と言われるケースです。話し合いで退職日を決めることができれば問題はありません。あなたがはっきりと期日を伝えることで施設側も『それまでには人員を補充しよう』と動き出すからです。
このような場合は「◯月末に辞めます」と何度も伝えることが大切です。
しかし求人がなく何度も退職日を引き延ばされるといつまでも退職できない状態が続いてしまいます。そうならないためにもしっかり期日を明確にしておく必要があります。
『あなたが必要』など常に訴えてくる
職業柄、情に訴えるような引き止めもあります。『あなたがいなくなると◯◯さん(利用者の名前)が悲しがる。』などと言って引き止められます。
介護職に従事している人は優しい方が多いので、情に訴えられると退職をためらってしまうかもしれません。迷いが生じで退職を辞めてしまう場合は退職の意志をしっかり固めてから伝えるようにしましょう。
退職の意志を伝えたら感情的な発言に流されないようにしましょう。
ここで迷ってしまうとずるずると退職を引き延ばされるということになってしまいます。
忙しいと言って取り合ってくれない
退職の相談をしようとしても「忙しいから後にして欲しい」などといって話を聞いてくれなかったり、退職の話を進めてくれなかったりするケースもあります。その結果、退職の話がなかったことになってしまうことも。
退職について話す場を設けてもらえない場合は、自分から退職の話を上司へ頻繁に持ちかけてみましょう。それでも、退職の話をなかったことにされそうなときには、状況に応じて退職願や退職届を提出するのも一つの手です。
諦めないことが重要です。
「待遇を改善する」と言われる
『待遇・職場環境を改善をするから辞めないでほしい』と改善策を提示されて引き止められるケースもあります。もちろんお互いの歩み寄りによって納得できる条件だった場合、保留にしても良いかもしれません。
しかし改善される見込みがないと判断したら退職の意志は変わらないことを伝えましょう。
今までとは違う現場を経験してみたい、夜勤をしない職場へ移りたいなど上司が納得する退職理由を伝えるのがポイントです。
介護職への退職引き止め回避するには
今からできること
私たちに今から準備できることはなんでしょうか。
やめると決めて決心が固いのであれば退職の引き止めにあっても決意がぶれることはないと思います。
こちらの記事では退職までのロードマップをわかりやすく解説しています。退職を決意した方は一度見ておいて損はないと思います。⇨【まとめ】介護職辞めてよかった。ブラック施設を辞める方法を教えます
円満退職を望まれる方へ
また”しつこい引き止めでなかなかやめさせてもらえない。”という悩みの方へはこちらの記事をおすすめします。⇨【退職代行】をご存知ですか?ブラック施設でも最短で辞められます。
最後にこちらの動画をご紹介します。
【転職】これで確実に”退職”できる。例え退職引き留めに遭っても。
本来であるならスムーズに退職できれば良いのですが、今後、人手不足が深刻になることは確実です。タイミングよくやめることができるようにあらゆるパターンを想定しておくことをおすすめします。
まとめ
今回は介護職が退職の引き止めにあった時の対処法をご紹介しました。
できれば一つの施設で長く働くことが利用者にも経営者にも喜ばれるし、第一あなたにとって一番ストレスのない働き方だと思います。しかし介護業界はブラックな施設がある程度存在するのも確かです。
転職を経験することで自分に合った施設や働き方がわかります。
こちらの記事も参考にされてください⇨【保存版】介護派遣で評判の良い会社〜おすすめ3選とその理由〜介護業界の転職はマイナスよりもプラスが多いことを加えてお伝えしておきます。今回の記事が参考になれば幸いです。
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